むかしむかし、ちきゅうが うまれる ずっとまえ、うちゅうの はしっこに、ちきゅうと よくにた ほしがありました。
そこには、とても ゆうしゅうな かがくしゃが いました。まだ 16さいでしたが、かっきてきな けんきゅうで ちゅうもくされていました。
その かがくしゃは、いでんしを じゆうに くみかえて、おもったとおりの せいぶつを つくろうとしていました。
それが じつげんすれば、どんなせいぶつも、もちろん にんげんも すきなように つくることができます。
けんきゅうは じゅんちょうにすすみ、たくさんの ひとびとが じつげんするのを まっていました。びょうきのひと、こどもがうまれないひと、いろんなひとが すくわれると おもったからです。
ところが あとすこしのところで けんきゅうがうまくいかなくなり、かがくしゃは はじめて いきづまってしまいました。
かがくしゃは、おおきな まちがいに きづき、もう じつげんする ほうほうは ないようにおもいました。そして、かがくしゃは ぜつぼうして じさつしてしまいました。
でも、とてもよいところまで すすんでいたので、ほかの かがくしゃたちが、このまま けんきゅうを あきらめるのは もったいないと おもいました。
ほかの かがくしゃも がんばりましたが、どうしても そのさきは うまくいきませんでした。
そして じさつした かがくしゃが まえに はつめいした ほうほうで、おなじ かがくしゃのクローンにんげんを つくりました。
そして、じさつした かがくしゃと まったく おなじひとが、もういちど うまれました。
おなじ いでんしなので、そのひとも また ゆうしゅうな かがくしゃに なりました。
そして おなじように いでんしの けんきゅうを はじめました。
ほかの かがくしゃたちは よろこび、けんきゅうに きたいしました。
ところが あるとき、そのかがくしゃは、じぶんが うまれてきた りゆうを しりました。
みんなの はんのうが おかしいと おもい、きづいたのです。じぶんは、じさつしたかがくしゃの コピーなのだと。その けんきゅうの つづきを させるために じぶんが つくられたのだと。
すると、そのクローンかがくしゃは、じぶんが うまれてきた いみを とい、ぜつぼうして じさつしてしまいました。
ほかの かがくしゃたちは がっかりしました。そして、もういちど、じさつしたかがくしゃと おなじ いでんしの、クローンかがくしゃを つくりました。
こんどは、ぜったいに うまれてきた りゆうを しられないように、ちゅういしました。
そのクローンかがくしゃも、また おなじように ゆうしゅうな かがくしゃになり、いでんしに きょうみを もちました。
じゅんちょうに けんきゅうは すすみ、こんどこそは と、みんな きたいしていました。
あるひ、そのかがくしゃの じっけんしつで ばくはつが おきました。そして、かがくしゃの なかまが ひとり、しんでしまいました。
かがくしゃは なんとか いきのびましたが、じぶんの けんきゅうで なかまが しんでしまったことに せきにんを かんじて くるしくなり、ぜつぼうして じさつしてしまいました。
そして また おなじ クローンかがくしゃが つくられました。
すると、そのかがくしゃは、ついに、じゆうに いでんしを きめて おもったとおりの せいぶつを つくることに せいこうしました。みんな、みたこともない せいぶつを はじめて みました。
すると、そのかがくしゃは どんな せいぶつも じゆうにつくれるのなら、じぶんが いる ひつようが ないとおもい、ぜつぼうして、つくりかたを かいた けんきゅうしょを もやし、じさつしてしまいました。
でも、ほかのひとは みんな、どうして せいこうしたのに じさつしたのか わかりませんでした。そして、つくりかたが わからないので、かがくしゃが じさつしたあとは、だれも おなじように つくることができませんでした。
そのあと、なんかい おなじ かがくしゃのクローンを つくっても、みんな、17さいになるまえに じさつしてしまいました。
じゆうに いでんしを きめられる けんきゅうは、そのあと なんじゅうねんも わからないままに なりました。
すると、あるかがくしゃが、きづきました。
「もしかしたら、かならず じさつすることになる いでんしが さいしょから くみこまれているのではないか」と。
「だから、かがくしゃのクローンは、みんなじさつしてしまうのではないか」と。
それから、ほかの かがくしゃたちは、なにが じさつする いでんしなのか、つきとめようと けんきゅうしました。
そして、じさつのいでんしが かいめいされました。
すると、かがくしゃが まえに けんきゅうした ほうほうで、じさつをよぶ いでんしだけを けして、もういちど、クローンかがくしゃが つくられました。
そして、とうとう、そのクローンかがくしゃは、17さいになっても じさつしませんでした。18さいになっても、19さいになっても、じさつしませんでした。
そのころ、そのほしでは じさつするひとが ふえ、じさつは たいへん おおきな もんだいに なっていました。
みんな、じぶんの こどもには じさつしてほしくないと、おもっていました。
だから、みんな、うまれてくるまえに もし じさつのいでんしがあったら けしたいと おもうように なりました。
かがくしゃたちは、それに こたえて、じさつのいでんしを うまれるまえに けすように しました。
すると、それから なんじゅうねんかして、じさつするひとが とても へりました。
ついには、だれも じさつするひとは いなくなりました。
なんじゅんねんも おおきな もんだいになっていた じさつのもんだいは、ゆうしゅうな かがくしゃが じさつしたことを きっかけに、とうとう かいけつしました。
すると、そのほしの じんこうは それから とつぜん ふえました。
そして、それから なんじゅうねんか たつと、しょくりょうが たりなくなってしまいました。
すむ ばしょも ほとんど なくなってしまいました。
すると、しょくりょうや すむ ところを もとめて、ひとびとは あらそうように なりました。
でも、おなかがすいて、あらそう とちゅうで みんな しんでしまいました。
そして、そのほしの ひとびとは ぜつめつしました。
2015ねん8がつ あいだあい
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