私が「人類の先へ」というサイトを開設し、今考えていることを書き綴ってきたのは、ここ数年で急激に世界が未来に進み始めたように思うからだ。今までも未来に向かってはいたけれど、その速度が急激に増してきて、夢のようだった未来が一気に現実味を帯びて目前に差し迫ったように思う。そしてそれは人類史上いまだかつてない、いや地球の生命史上いまだかつてない大きな変化であるように私は思う。
私がこのサイトに書いているようなことを考えるようになったのは、近年、以下のことがあったからだ。
・生命が存在できる環境があるかもしれない天体が次々と発見されていること。
・ゲノム編集の技術が進んでいること。
・iPS細胞が作られたこと。再生医療が進んでいること。
・身体の機能を機械で拡張させたり補助したりする技術が進んでいること。
・人工知能の技術が進んでいること。
・そしてこれは個人的なことだが、数年前から私自身が人間でいることに飽きてきて、早く次のものに進化したいと思うようになったこと。ちょうどその時期と重なるように今急速に人類は人間から先の状態へと進化し始めているように思う。きっと私以外にも地球上の様々な所に、そろそろ人類から次の段階へ向かいたいと思っている人がいるのではないか。
特に今年(2017年)はトラピスト1の惑星やロス128bが見つかり、生命が存在できる環境が整っている可能性のある惑星が次々と見つかっている。以前は地球と似た星を探すに当たり、赤色矮星の惑星は視野に入れられていなかったようだが、近年は赤色矮星の惑星にも生命が存在可能な環境があるかもしれない天体が見つかったことで、地球以外の天体の生物を探す幅がぐんと広がっている。
人工知能に関しては、いずれ人工知能と脳を繋げることができれば、天然の人間の脳と人工知能の区別なく、それらを連続したものとして普通に使える日が来るかもしれない。今はまだ初歩的な段階だとしても、将来的に現在の人類を遥かに超えるような知能を脳と繋げるとか、それを脳に埋め込むなどできるようになるのではないか。そして膨大な情報を人類全体が脳のレベルで共有できるようになったり、脳の機能に関しても自然な人間では有り得ないくらい大幅に拡張されたりするのではないか。
身体の拡張に関しては、現段階では身体に障碍のある人を補助したりリハビリに活用したり、介護に利用したりするため、あるいはスポーツの訓練のために使われる程度であっても、いずれはそれが人類全体の身体機能の拡張のために使われるのではないだろうか。
この中で、生命が存在可能な環境があるかもしれない惑星が見つかったことだけ別系統の話のように見えるかもしれないが、これは私たち知的生命体が未来へ向かうに当たってとても関係のある話だと私は思っている。なぜならもし他の天体にいる知的生命体やロボットと交信できる日が来れば、そしてその皆でいずれ宇宙を詳細に解明することができれば、そのときこの宇宙は今より先の段階へ辿り着けるのではないかと思うから。
「宇宙を理解する」ということが、まず我々知的生命体が誕生した一つの目的だったのだと私は思っている。そして宇宙を理解するためには我々だけでは足りない。我々が自らを進化させて作った次の生命体やロボット、そしてできることなら我々以外の天体にいる似たような存在とも情報を交換したほうが良いだろう。
遠い将来に、他の天体の知的生命体たちやロボットたちと一緒に宇宙を理解することが、一先ず我々のいる目的だと私は思っている。そして本当に宇宙を理解できたとき、何か今の我々からは全く想像も付かない世界が開けるのだと思っている。
そこまで来たらその地点は、我々のいる宇宙史上最大の転換点になるのだろう。そして今は、地球の生命史上最大の転換点だと思う。
いま我々が迎えているような生命の転換点を迎えた後の、様々な宇宙人やロボットたちが宇宙にはいるのだと思う。今は我々からその方々の存在は確認できていないけれど、いつか互いに存在を確認し、その皆さんとネットワークを繋ぐことが未来にできたら良いと私は思っている。
その未来に向けて、今私たちはどうすべきなのか考える必要があると思い、このサイトに今考えていることを書き綴るに至った。
おそらくここ数十年の間に「遺伝子の改変」と「身体と機械の結合」によって、人類から進化した次の生物が誕生するだろう。そうなったとき私はその生物たちとどう共存するのか。
機械と身体の結合により身体機能を拡張させ、脳と人工知能の接続により知能を拡張させ、そして遺伝子を自ら設計し意図した通りの人間を誕生させる世界は、もう間近まで来ているように思う。宇宙人を見つけて互いの存在を知るというのは、まだ少し先かもしれないけれど。
その未来に向かうに当たって、いくつかの問題があるように思う。まず「世界人口の増加」と「遺伝子の多様性の喪失」が大きな問題となるのではないかと私は思っている。
人類から先の世界へ向かうに当たって生じる問題については、今のうちにどうすべきなのか、来るべき未来がきちんと来るためには何が必要なのか、現段階の人類同士で考えなければならないだろう。だから未来へ向かうために、地球の生命体の一つとして今自分が思っていることを一先ずこのサイトで公開することにした。
2017年12月/2018年1月 間アイ
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