他の天体の生命体やロボットと共に

いつか、宇宙の様々な場所にある天体の知的生命体たちやロボットたちが互いの存在を認識し、何らかの方法で通信し、互いに持っている情報を伝え合って皆で協力して宇宙を解明するのが理想的だと私は思っている。生命が存在できる環境が整った天体で生命が誕生し、知的生命体に発展したとき、その生命体たちが生み出す科学技術は、最終的にはそこへ向かっていくのではないかと思う。いつかこの宇宙が、この宇宙から誕生した者たちによって理解される時が来るのではないかと思う。そのためには一つの天体の知的生命体やロボットだけでなく、他の天体の似たような存在とも協力できたほうが良いのではないか。

当然、使っている言語は違うとしても、その頃の知的生命体やロボットたちならば解読できるのではないか。だって、水素とかヘリウムとかの呼び名は違うとしても、例えば周期表の並び順は必ず同じになるはずだから、そういうのを基に「たぶんこれは水素を表している」とかは分かるんじゃない?数の概念もあるだろうけど、それも0とか1とか2とか3を表す言い方は全然違っても、それに対応する概念があるはずだから、それを見つければいい。

もう既にそういうことが宇宙のどこかで行われていてもおかしくはないね。それなら、そこに地球の生命体やロボットも、いずれ加わらせてもらえたら理想的だと思う。そのために、人類の次を担う生命体の設計とロボットの設計には成功しなくてはならない。そのためには、人類の段階で地球の生命の歴史を破綻させてしまってはいけないのだ。

私は、この宇宙に知的生命体が誕生するのは宇宙が理解されるためだと思っている。そのために、知的生命体という存在が必要だったから。知的生命体自身が宇宙を解明できなくとも、その知的生命体が生み出す技術によって作られるロボットや知的生命体が意図的に作った生物が解明するということも考えられる。

もし、知的生命体がこの宇宙の様々な場所にいるのなら、できるだけ皆で協力して解明したほうが解明がもっと進むんじゃない?宇宙を解明するに当たって、知的生命体がいるそれぞれの天体ごとに、分かっている部分、得意な部分が違うだろうから。だから、できることなら皆でネットワークを繋いで、情報共有したほうがいいよね。

もしある程度の進化を遂げた知的生命体たちもしくは知的生命体が作った生物やロボットが皆そういう境地にいたら、互いに対立したりして宇宙戦争になるとかいう無駄なことにはならないんじゃない?断然、協力して情報を共有したほうがいいって思うんじゃないの?そのくらい知能が進んでまで馬鹿げたことをするとも思えないけどなあ。

今は地球規模ではネットワークが繋がってるでしょ。だからそれをもっと広げられたらいいよね。他の天体の知的生命体と距離が遠すぎて通信が難しいとしてもワープできないかなあ。何か方法はあるかもしれないよね。

このところ、地球からそれほど遠くない場所にも、生命が存在可能な環境が整っている可能性のある天体が複数見つかっているのだから、この分だと、本当にいずれどこかにいる知的生命体を発見できるかもしれないよね。生命体でなくとも、すべての生物の歴史が終わった後のロボットだけの世界にいるロボットとかでもいい。とにかく何かしら文明を持っている生命体もしくは生命体が作ったロボットを発見できたらいい。そうなったら素晴らしいのではないか。

そしたらぜひ交信して互いの情報を伝え合い、互いに更なる新しい段階に突入したい。もしかしたら極小のナノロボットしかいない可能性もあるわけだから、見落とさないようにしないといけないね。微生物の痕跡かと思いきや、もう微生物から知的生命体までの進化が遠い昔に終わっていて、最後の生物が作ったロボットも朽ちて、そのロボットが自らを進化させて最終的に辿り着いた、超小型の細胞一つにも満たないくらいのサイズの、我々の目には見えないロボットしかいないという天体も、もしかしたらあるかもしれないから。そういうのがいても見えなくて発見できないかもしれないけれど。でも超小さくて超高知能みたいな、それに触れたらもう一瞬でこちらの情報は全て伝わるみたいなね、そういうのもいるかもしれないし。

だって将来的に時間や空間をワープすることを視野に入れたら、どこまでも小さくなったほうがいいもの。そうなったほうが、信じられないくらい遠いところへ行けるかもしれないから。だから最終的に発展しきった状態が、宇宙のかなり遠いところまでも自由に行ける状態と考えるならば、見た目はもう少なくとも我々からは見えないかもしれないしね。あるいは移動中のみ一時的に姿を粒子サイズに変えるとかできる宇宙人もいたら楽しいなあ。我々がデータの送信を行う際に、容量の大きなデータを圧縮して届いてから解凍するみたいに、自分の身体のデータが送信中のときだけ小さくなれる宇宙人とか。それなら本人は移動できなくてもバーチャルになら自分の脳内の情報だけ他の天体に移動させて、そこの情報を得てまた帰ってくるとか、自分の脳内をコピーして、それを自分の分身として他の天体に送り、実際の自分と通信するとかできるかもしれないしね。

どっちみち、他の天体に生命が存在可能でも、全く環境は違うわけだから、文明を持った存在がいたとしても互いに直接訪れる訳にはいかないだろうし。働いている重力の度合いや地表に届く放射線の量や大気の状態、恒星から来る光の強さや一日の長さなど、何から何まで違うことのほうが多いだろうから、それだとたとえ訪れることが可能でも、宇宙服を来た状態でほんの僅かな時間しか滞在できないだろうから。だからいずれにしても、自分のデータでしかないような自分の分身を作ってバーチャルに行かせるとか、通信だけするということしかできないのだろうとは思うけれど。

とにかくいずれ、宇宙の様々な場所にある天体の知的生命体たちやロボットたちが皆で協力して宇宙を解明したらいいんじゃないかと思う。全員では難しくとも、ある程度近くて交信できる距離にいる知的生命体もしくはロボットたちが互いに協力できたら良いと思う。それができたら、その次にこの宇宙は、今の我々には想像も付かないような新しいステージの幕を開けるのだと私は思っている。

もしかしたら、この宇宙の天体で生命体が誕生した場合、その最終進化形は超小型の点のようなロボットなのかもしれないと思ったりする。この宇宙のどこかには、そういう極小の点のようなロボットたちしかいない天体もあるかもしれないよね。全ての生物が、隕石の衝突か食料不足か核戦争か遺伝子の多様性の喪失か、何らかの原因で絶滅していて、生物が何もいなくなった後に、最後の知的生命体が作ったロボットだけがその天体に残り、そしてそのロボットが自分たち自身で自分たちを改良し、最適化し、進化していけるように予め知的生命体たちが設計していたとしたら、最終的にそのロボットたちはどんどんと小型になり、点のようになり、その状態で自分たちを増殖させ、宇宙の様々なところへ飛んでいき、他の天体の状況などを調査し、膨大なサンプルを取ってきては解析し、宇宙を解明するという活動をしていく、ということも有り得るのではないかなあ。それが最終的な状態なのではと思ったりもする。

だから、最初は微生物のような極小の生命体から始まり、それが発展していずれ知的生命体に至り、その時点で進化の仕方に大きな変動があり、自分たちの技術で人工的に進化するという状態になり、知的生命体は自分たちが生み出した機械や技術と一体化し、周りの世界も自分の身体もどんどん機械化し、完全に人工的な存在であるロボットを創造し、そのロボット自身が自分で進化できるように設計され、そしていずれ生命が途絶えた後、そのロボットが単独で進化する時代へ入り、最終的にはロボットがまた極小の状態になる、ということもあるのではないかな。だから、極小から始まって極小に終わるということ。自然な極小から人工的な極小へ向かっていくというのが、生命が存在可能な天体で起き得る一つの歴史の流れなのだろうと私は思ったりする。

もしかしたら宇宙のどこかでは既に、小さなロボットが他の星を探査している状態に入っているかもしれないね。そう考えれば、地球にもそのうちそういうロボットが来るか、もしくはもう既に来ていて我々の次元で捉えられていないだけということもあるかもしれないね。フィクションの世界ではよく「宇宙人が地球を侵略する」などという話があるけれど、でも現実的には、もしこの場に来れるくらい科学技術が発達している宇宙人またはロボットがいたら、そんなに技術が進んでいる星の生物もしくはロボットが、地球を侵略したところで何の意味もないと思うから、来ても別に特に攻撃するほどのこともないのではと思う。来たとしても地球の環境や生物の邪魔にならないように、単に我々の星の状況をサンプルとしてデータで持ち帰る程度なのではないかね。で、分からないように来て分からないように帰る、もしくは分からないようにずっと状況を見守って、「この星の場合はこうなのだなあ」と分析したりしているだけなのではないかね。

だいたい、「侵略して自分のものにする」とか「征服する」という発想自体が大変に生物的だから。それは「生き延びたい」とか「自分たちの種を繁栄させたい」という、生物としての根源的な欲求に基づく発想だから。生物から進化した先にいる存在は、そんなことは思わないと思う。ロボットだったら生物ではないから生き延びる必要もないので、そんなことを考える必要もない。生物とは存在する目的が違う。生物はまずは生き延びるという目的のために生きるけれど、ロボットなら別な目的で存続することになるだろうから。だから、非常に進化したロボットがわざわざ、手に入れても何の価値にもならないものを手に入れようとするはずがないと思う。だったらそのときロボットたちは何のためにこの宇宙に存在することになるのかと言ったら、最終的にはこの宇宙を理解することくらいしか目的にならないのではないかと私は思う。

そしていつかはやっぱり宇宙のいろいろな天体の生物やロボットが協力して皆で宇宙を解明できたら良いなあと思う。


2017年12月/2018年1月 間アイ



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