義務教育とマスメディアで命とテクノロジーの問題を

義務教育で、早急に、命と今のテクノロジーの問題について定期的に考えさせる機会を設けるべきだと思う。今までも命の授業とかはあったようだけれど、それに加えて「命をテクノロジーで操作することに関してどう考えるか」という問題に、小さい頃から触れさせることが必須だと私は思う。だってその子供たちが子供を産むときには、遺伝子の操作云々は絶対に避けられない問題になってるだろうからね。

もう幼稚園とか保育園からやったほうがいい。幼少期の子供だって、絵や図などを使って楽しく説明すれば理解できることはたくさんある。最初は絵本とかで、お話を読み聞かせる感じでいいと思う。人間が人間の遺伝子を操作した場合に起こり得る様々な問題を物語とかにして、それを絵本にして説明するとかでもいいと思う。そしたら何となくでも分かると思う。遺伝子自体のイメージが掴めなくて理解できないのだとしたらそれは別な言い方をして分かりやすくはできると思う。分からなければ、とにかく命について考えるきっかけだけでも与えておく。それがまず大事。

それで小学生になって文字を覚えて作文が書けるようになったら、命とテクノロジーに関して思っていることを書かせる。2年生だったらもうかなり作文書けるでしょ。もしまだ命とテクノロジーについて考えが及ばない場合には命についてだけでもいいから。自然についてでもいい。自然にあるものを自分たちの意思で変えるということについて、どう思うかでもいい。

それを、学年に合わせて少しずつ課題の内容を変えて、毎年定期的にやったら良いと思う。4年生くらいになったら、クラスの中でそういうことについて討論する授業をやったらいいと思う。そういうのを中学校に行ってもやるの。で、中学校に行ったらもう、実際に子供を残す年齢に近づくから、「自分は自分の遺伝子を受け継ぐ子供を残したいか」とか「自分だったら自分の子供の遺伝子を操作したいか」「もし操作したいとすればそれはどんな場合か」「その理由は何か」など、具体的に自分自身のこととして、その問題を考えさせるの。高校生になったらもう中学までの生物とかでかなりのことを分かっているのだから、その時の最先端の科学技術で今後でてくる可能性のある問題について、より専門的な知識も踏まえたうえで議論させるとか。医療や科学技術や人間の進化に関する小論文を書かせるとか。そういうことをやったほうがいい。本当に。全員に本気で考えるきっかけを与えるべき。

それから遺伝子を操作することに関しては、テレビやラジオや新聞やネットなどのメディアで、もっと大々的に日常的に取り上げて、常にそういう議論に誰もが触れられる機会を作ったらいいと思う。今もあることはあるけど、基本的にもともと興味ある人しか見ないようなところにしかそういう話があまり出て来なかったりするから。生命とテクノロジーに関する情報も、ニュースでチラっと出たりするだけじゃなくて、大々的に議論するような番組をバンバン作ったらいいと思う。日本の討論番組って色々あるけど、そういうのって政治とか経済のことが中心のものが多いでしょ。たまに科学技術の話がでてきてもそれがメインじゃない。

だから、そういう討論番組の科学技術バージョンを作ればいいと思う。生命と科学技術について、いろんな立場のいろんな分野の人たちが集まって何だかかんだ意見を言って議論するような番組があったほうがいいと思う。そういうのが頻繁に、定期的にあったほうがいいと思う。そうすれば、たまたまテレビを見た人のなかで、そういうことにこれまで興味なかった人とか、そういう情報を知らなかった人の目にも触れて、考えるきっかけになるかもしれないから。

人工知能に関しては、もうかなり広く色んなメディアで話題になっているから、べつにコンピュータとか科学技術の専門家でなくとも、人工知能に関する問題意識を自分なりに持っている人は今たくさんいると思う。そういうのはとても良いことだと思う。これからの世の中で皆に関わってくる重大なテクノロジーとの関わり方や、それがもたらす影響について、専門家以外の人も皆が考えるというのはとても必要なことだと思う。

命の操作に関しても同じく議論が広まるべきだと思う。


2018年2月 間アイ



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