子孫を残さない理由が「地球の人口を増やさないため」というのは、ごく普通の理由だと思う。
私は幼い頃から子孫を残さないことを決めていた。理由は色々だったが、10代から現在に至るまでの一貫した理由は、地球の人口が増えすぎているから。
ただ私は子孫を残したいという人を決して否定はしたくない。色々なお考えがあるから。人間が増えていても子孫を残すことを選ぶ理由もあるでしょうし、誰もが私と同じように子孫を残さないという考えだったら、そこで人間が途絶えてしまうのだから、それが良いとも思わない。ただ私は、飽くまで私個人の意思として、自分からは絶対に人間を誕生させたくないというだけだ。
なぜ子供を生まないのか聞かれて、私が「いま地球の生物のなかで人間が多すぎてバランスが崩れているから、世界人口をこれ以上増やさないためだ」と答えると日本では驚かれる。でもそれはごく標準的な理由として認知されて良いと思う。共感されなくてもいいけれど生命体としては切実な理由だから。
その理由に共感しないとか、自分は違う意見だというのは良いけれど、「そんな理由があると思っていなかった」と驚く人がいるような状態ではなくなったほうが良いと思う。
「なんで子ども生まないの?」「人口増やさないため」と聞いて、「ああ、そういう理由で生まない人いるよねー」というのが標準的なリアクションになったら良いと思う。「まさかそういう理由で生まないという人がこの世にいるなんて思ってもみなかった」という反応が標準的なのは、今の地球の状況には合っていないから。
「なんで子どもを生みたくないの?」と聞いて「仕事をハードにやりたいから」などの答えを聞いたら、「ああ、そうなんだあ
」とか「そういう人もいるよね」となるのが割りと普通だと思う。それと同じように、「人口を増やさないため」というのも普通によくある考えとして周知されて良いと思う。
私は20年ほど前から、なんで子どもを生みたくないのか聞かれた際に度々そう答えてきたが、その際、「ああ、そういう人いるよねー」とか「ああ、そうなんだあ」というリアクションをもらったことが、一度もない。
「ええ!?そんな人いるの?」とか、半ば冗談だと思われたりとか、本当にその理由で生まないというわけではないと思われたりとか、「そういう理由は初めて聞いたわー」とか、そんな感じだった。
早くそういう風潮からは世界全体が脱してほしいと思う。日本でなければ、割りとそれは普通の理由と思われることも多いと思うけれど。日本は、日本の内部では人口が減っていくことのほうが深刻な問題だから、人口増加抑制に意識的でない故に、子どもを生まない理由として世界人口の増加抑制があることを認識していない人が多いのかもしれないけれど、人間という種族全体としては増えていて、それは人間とこの地球環境全体にとってとても深刻な問題。そして我々は日本人である以前にまずホモサピエンスなので、まず現在ホモサピエンスの抱えている問題を認識したうえで、各個人のキャリアプランについての見解を聞くという視点も持っておいて良いのではないかと思う。
2020年3月〜4月 間アイ
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